
PTG 2026/10/06
① 90/90 ヒップスイッチ
目的
・股関節の内旋・外旋可動域の向上
・骨盤のコントロール能力向上
・左右の股関節をスムーズに切り替える
・投球時の軸脚・踏み込み脚の動きを作りやすくする
投球では、軸脚側と踏み込み脚側で股関節の内旋・外旋を使い分けながら骨盤を動かします。
このメニューは、左右の股関節を大きく動かし、
投球前に股関節周辺を動きやすい状態にするメニューです。
やり方
① 床に座り、両膝を曲げて足をやや広めに開く
② 両膝を同じ方向へ倒し、前後の脚がそれぞれ約 90 度になる姿勢を作る
③ 胸を起こしたまま、両膝を反対側へゆっくり倒す
④ 左右の坐骨が浮きすぎないように股関節から動かす
⑤ 左右交互にリズムよく繰り返す
時間・回数
左右 10 往復 × 2 セット
ピッチャー向けポイント
・腰だけをひねらず、股関節から動かす
・上半身が大きく倒れないようにする
・無理に膝を床につけようとしない
・左右で動きにくい方向がないか確認する
・W-up では止めすぎず、リズムよく行う
ピッチャーへの効果
股関節の内旋・外旋がスムーズになることで、
足上げから軸脚へ体重を乗せる動作や、
並進動作へ移る際の骨盤の動きを作りやすくなります。
股関節を使って骨盤をコントロールするための準備としておすすめです。
② 腸腰筋ストレッチ+オーバーヘッドリーチ
目的
・腸腰筋の柔軟性向上
・股関節伸展可動域の確保
・広背筋・体側の柔軟性向上
・股関節と上半身を連動して動かす準備
股関節前面から体側までを一緒に伸ばし、
投球動作で必要となる下半身と上半身の大きな動きを引き出します。
やり方
① 片膝立ちの姿勢を作る
② 骨盤を軽く後傾させ、お尻に力を入れる
③ 身体を少し前方へ移動し、後ろ脚側の股関節前面を伸ばす
④ 後ろ脚側の腕を頭上へ伸ばす
⑤ 腕を伸ばしたまま、身体を反対側へ軽く倒す
⑥ 元へ戻し、繰り返してから反対側も行う
時間・回数
左右 10 回 × 2 セット
ピッチャー向けポイント
・腰を反って伸ばそうとしない
・お尻を締めて骨盤の位置を安定させる
・腕は耳の横までしっかり伸ばす
・股関節前面から脇腹まで「⾧くする」イメージ
・呼吸を止めずに行う
ピッチャーへの効果
腸腰筋や広背筋周辺の動きを引き出すことで、
足上げから並進動作へ移る際に骨盤や体幹を動かしやすくなります。
腰を過度に反らずに大きな動きを作るための W-up としても有効です。
③ アダクターロックバック
目的
・内転筋群の柔軟性向上
・股関節可動域の確保
・股関節へ体重を乗せる感覚の獲得
・骨盤をコントロールする準備
内転筋を伸ばしながら股関節を大きく曲げることで、
投球時の軸脚への荷重や並進動作につながる股関節の動きを作ります。
やり方
① 四つ這いになる
② 片脚を真横へ伸ばし、足裏または踵を床につける
③ 背中を真っ直ぐに保つ
④ お尻をゆっくり後方へ引く
⑤ 伸ばした脚の内ももに伸びを感じる位置まで動く
⑥ 前へ戻り、同じ動きを繰り返す
⑦ 反対側も同様に行う
時間・回数
左右 10 回 × 2 セット
ピッチャー向けポイント
・腰を丸めて後ろへ動かない
・お尻を後ろへ引き、股関節を深く使う
・伸ばしている脚の内ももを意識する
・骨盤が左右へ大きく傾かないようにする
・痛みが出るところまで無理に動かさない
ピッチャーへの効果
内転筋の柔軟性を確保することで、軸脚股関節へ身体を乗せる動作や、
骨盤をホーム方向へ移動させる並進動作を行いやすくします。
特に、股関節が硬く下半身の動きが小さくなりやすい投手におすすめです。
④ シングルレッグ・ハムストリングダイナミックストレッチ
目的
・ハムストリングの動的柔軟性向上
・股関節の屈曲・伸展可動域向上
・片脚支持能力の向上
・股関節と体幹の連動性向上
片脚で身体を支えながら股関節を大きく動かすことで、
柔軟性とバランスを同時に高める W-up メニューです。
やり方
① 片脚で立ち、支持脚の膝を軽く曲げる
② 反対脚を後方へ伸ばしながら、股関節から上半身を前へ倒す
③ 頭から後ろ脚までが一直線になるイメージで伸ばす
④ 支持脚のハムストリングに伸びを感じる
⑤ 股関節を伸ばしながら身体を起こす
⑥ バランスを保ちながら繰り返す
⑦ 反対側も同様に行う
時間・回数
左右 10 回 × 2 セット
ピッチャー向けポイント
・腰から曲げず、股関節から身体を倒す
・骨盤が横へ開かないようにする
・支持脚の膝を軽く曲げる
・バランスを崩さない範囲で大きく動く
・「伸ばす+片脚で支える」の両方を意識する
ピッチャーへの効果
ハムストリングの動的な柔軟性に加えて、軸脚で身体を支えながら股関節を動かす能力を引き出せます。
足上げから並進動作へ移る際の軸脚の安定や、股関節を使った体重移動の準備につながります。
⑤ ラットストレッチ+体側伸ばし
目的
・広背筋の柔軟性向上
・体側の可動性向上
・肩関節の挙上可動域確保
・胸郭を動かしやすい状態にする
・上半身の過度な力みを抑える
広背筋は腕から背中、骨盤周辺までつながる大きな筋肉です。
広背筋周辺の動きを引き出すことで、腕・胸郭・体幹をスムーズに動かす準備を行います。
やり方
① 足を肩幅程度に開いて立つ
② 片腕を頭上へ伸ばす
③ 腕を⾧く伸ばしたまま身体を反対側へ倒す
④ 脇から腰付近まで伸びを感じる
⑤ 元の姿勢へ戻る
⑥ リズムよく繰り返す
⑦ 反対側も同様に行う
※柱や壁に手をつき、少し身体を後方へ引きながら行っても OK です。
時間・回数
左右 10 回 × 2 セット
ピッチャー向けポイント
・腰を反らずに体側を伸ばす
・肩をすくめない
・腕だけではなく脇腹まで⾧く伸ばす
・骨盤が大きく横へ逃げないようにする
・呼吸を止めず、吐きながら可動域を広げる
ピッチャーへの効果
広背筋や体側の動きを引き出すことで、足上げ時の姿勢を保ちながら
上半身をリラックスさせ、並進動作へスムーズに移行する準備ができます。
また、その後の胸郭回旋や腕の動きを邪魔しない
上半身の可動性づくりにもつながります。
⑥ ゴブレット・ボックススクワット
目的
・大臀筋・大腿四頭筋の筋力、筋肉量向上
・股関節を使ってしゃがむ動作の習得
・下半身全体の基礎筋力向上
・骨盤・体幹を安定させた力発揮
・軸脚で身体を支えるための土台づくり
胸の前でダンベルやケトルベルを持ち、ボックスに
お尻を軽く触れてから立ち上がるスクワットです。
やり方
① ボックスやベンチの前に足を肩幅程度に開いて立つ
② ダンベル等を胸の前で持つ
③ お腹に力を入れ、胸を起こす
④ お尻を後方へ引きながら股関節と膝を曲げる
⑤ ボックスへお尻を軽く触れる
⑥ 足裏で地面を強く押して立ち上がる
⑦ お尻を締めて身体を真っ直ぐに戻す
時間・回数
10 回 × 3 セット
ピッチャー向けポイント
・ボックスに完全に座り込まない
・膝だけでなく股関節をしっかり曲げる
・膝が内側へ入らない
・足裏全体で地面を捉える
・立ち上がるときは「地面を押す」意識を持つ
・筋肉量アップを狙う場合は下ろす動作も丁寧に行う
ピッチャーへの効果
足上げから並進開始では、軸脚で身体を支えながら
股関節周辺に力を蓄える必要があります。
臀筋・大腿四頭筋を中心とした下半身の筋力・筋肉量を高めることで、
軸脚で安定して身体を支えるための土台を作ります。
ボックスを使用することで、股関節を後方へ引いて
力を溜める感覚も身につけやすくなります。
⑦ B スタンス RDL
目的
・大臀筋・ハムストリングの筋力、筋肉量向上
・軸脚側の股関節支持能力向上
・ヒップヒンジ動作の習得
・左右の脚を個別に強化
・骨盤の安定性向上
片脚をメインに使いながら、反対脚を補助として使う RDL です。
完全な片脚種目より安定しやすく、狙った脚の
臀部・ハムストリングに負荷をかけやすいのが特徴です。
やり方
① 足を前後に軽くずらして立つ
② 前脚に体重の 7~8 割程度を乗せる
③ 後ろ脚はつま先を軽く床につける
④ 前脚の膝を軽く曲げる
⑤ お尻を後方へ引きながら上半身を前傾させる
⑥ 前脚の臀部・もも裏に負荷を感じる位置まで下げる
⑦ 股関節を伸ばして立ち上がる
時間・回数
左右 20 回 × 2 セット
ピッチャー向けポイント
・腰ではなく股関節から身体を倒す
・後ろ脚に体重を逃がさない
・前脚のお尻・ハムを使う
・背中を丸めない
・骨盤が横へ開かない
・「お尻を後ろへ引く→股関節を伸ばす」を意識する
ピッチャーへの効果
投球の足上げでは、軸脚一本で身体を支えながら股関節周辺で力をコントロールします。
B スタンス RDL で臀筋・ハムストリングを片側ずつ強化することで、
軸脚股関節で身体を支え、力を蓄えるための筋力を作ります。
並進開始時に下半身から力を発揮するための土台にもなります。
⑧ シングルレッグ・グルートブリッジマーチ
目的
・大臀筋・ハムストリングの強化
・骨盤の安定性向上
・左右の股関節を独立して動かす能力向上
・片脚支持能力の向上
・臀部と体幹の連動性向上
ブリッジ姿勢を維持しながら左右の脚を交互に浮かせ、
片脚になっても骨盤を安定させる能力を鍛えます。
やり方
① 仰向けになり、両膝を曲げる
② 足裏で地面を押してお尻を持ち上げる
③ 肩から膝まで一直線の姿勢を作る
④ 骨盤の高さを保ったまま片脚を床から浮かせる
⑤ 膝を軽く胸方向へ引き上げる
⑥ 脚を戻し、反対脚を持ち上げる
⑦ 左右交互に繰り返す
時間・回数
左右 10 回 × 3 セット
ピッチャー向けポイント
・脚を上げたときに骨盤を落とさない
・骨盤が左右へ回らないようにする
・腰を反って高さを作らない
・支持脚側のお尻で身体を支える
・スピードより骨盤の安定を優先する
ピッチャーへの効果
足上げでは、一方の脚を動かしても軸脚側の股関節・骨盤を安定させる必要があります。
この種目では、片脚で臀部を使いながら骨盤を水平に保つ能力を鍛えられるため、
足上げ時の軸脚支持や骨盤の安定につながります。
⑨ Copenhagen プランク
目的
・内転筋群の筋力向上
・体幹側面の安定性向上
・股関節と骨盤の安定性向上
・片脚支持時の骨盤コントロール能力向上
・下半身から体幹へ力を伝える土台づくり
ベンチなどに上側の脚を乗せ、内ももと体幹を使って身体を支えるトレーニングです。
やり方
① 身体を横向きにする
② 上側の脚をベンチや台に乗せる
③ 下側の肘を肩の真下につく
④ 上側の脚と肘で身体を支える
⑤ 腰を床から持ち上げる
⑥ 頭から足まで一直線にする
⑦ 姿勢をキープしてから反対側も行う
※難しい場合は、足首ではなく膝付近を台に乗せると負荷を下げられます。
時間・回数
左右 30 秒 × 2 セット
ピッチャー向けポイント
・腰が床方向へ落ちないようにする
・身体が前後へ倒れないようにする
・上側の内ももで台を押す
・肩をすくめない
・最初から⾧時間行わず、正しい姿勢を優先する
ピッチャーへの効果
内転筋群は股関節・骨盤を安定させる役割を持ち、片脚支持や下半身の力発揮にも関わります。
内転筋と体幹を同時に鍛えることで、足上げ時に骨盤が横へ流れるのを抑え、
軸脚股関節で安定して身体を支えるための土台を作ります。
⑩ ウォールプレス・ヒップロック
目的
・中臀筋を中心とした股関節周辺の活性化
・片脚支持能力の向上
・骨盤の左右方向への安定性向上
・股関節で身体を支える感覚の獲得
・足上げ姿勢の安定
壁へ膝を押し当てながら片脚で立つことで、支持脚側の臀部を使って
骨盤を安定させる感覚を身につけます。
やり方
① 壁の横に立つ
② 壁側の膝を腰の高さ付近まで上げる
③ 上げた膝の外側を壁へ当てる
④ 軸脚で身体を支える
⑤ 壁側の膝で壁を押す
⑥ 軸脚側のお尻にも力を入れ、骨盤を水平に保つ
⑦ 指定時間キープして反対側も行う
時間・回数
左右 10 秒 × 5 セット
ピッチャー向けポイント
・壁へ身体全体でもたれない
・軸脚側のお尻で身体を支える
・骨盤を横へ逃がさない
・上半身を傾けない
・壁側の膝と軸脚側の臀部で押し合う感覚を持つ
ピッチャーへの効果
足上げ時に軸脚股関節が安定しないと、骨盤が横へ流れたり、
上半身でバランスを取ったりしやすくなります。
ヒップロックによって中臀筋を中心とした股関節周辺を使って
骨盤を安定させる能力を高め、軸脚にしっかり乗った状態から
並進動作へ移るための準備につなげます。
⑪ ニーアップ・メディシンボールホールド
目的
・片脚支持能力の向上
・軸脚股関節の安定性向上
・体幹の姿勢保持能力向上
・外部負荷に対する骨盤・体幹の安定
・足上げ姿勢で力をコントロールする能力向上
メディシンボールを持った状態でニーアップ姿勢を作り、
通常の片脚立ちよりも大きな負荷の中で姿勢を安定させます。
やり方
① メディシンボールを胸の前で持つ
② 真っ直ぐ立った姿勢から片脚で立つ
③ 反対側の膝を腰の高さ付近まで引き上げる
④ 軸脚の股関節で身体を支える
⑤ ボールを胸の前で保持する
⑥ 骨盤・胸・頭の位置を安定させたままキープする
⑦ 脚を下ろし、反対側も行う
時間・回数
左右 30 秒 × 3 セット
ピッチャー向けポイント
・重すぎるメディシンボールを使用しない
・軸脚のお尻で身体を支える
・上げた脚側へ身体を傾けない
・腰を反らない
・骨盤を水平に保つ
・足を高く上げることより姿勢の安定を優先する
ピッチャーへの効果
メディシンボールという外部負荷が加わることで、
通常のニーアップよりも軸脚・股関節・体幹で身体を支える力が必要になります。
足上げ時に身体を安定させながら軸脚側に力を蓄え、
ブレの少ない状態から並進動作へ移行するための身体的な土台を強化できます。
