小学6年生の投球測定
●今回のオンライン投球測定を実施した選手
・小学6年生 右投げ 軟式 身長156cm
●本人からの悩み
・球速を上げたい
・コントロールを良くしたい
・ケガをしないフォーム作り
といったような悩みをいただきました!
1度動画データを送っていただきモーションキャプチャを使って
15項目を数値化した結果. . .
●15項目測定結果
1.並進速度 2.51m/s 100km/h平均
2.骨盤角速度 483.7deg/s 100km/h平均
3.胸郭角速度 717.7deg/s 120km/h平均
4.腕の速度 14.33m/s 100km/h平均
5.腕の最大加速度 225..2m/s2 90km/h平均
6.リリース時の腕の速度 14.33m/s 90km/h平均
7.プレートからのエクステンション 149cm 80km/h平均
8.肩最大外旋角度からリリースまでの距離 0.65m 120km/h平均
9.肩最大外旋角度からリリースまでの時間 0.05s 90km/h平均
10.前足膝関節角度 129° 適正値外
11.ステップ幅(身長に対して)99% 適正値
12.肩最大外旋角度 182° 適正値外
13.前足着地時の骨盤と胸郭の捻転差 15° 適正値外
14.リリース時の体幹前傾角度 119° 適正値外
15.肘関節角度 145° 適正値外
このデータから気になる点として
13.前足着地時の骨盤と胸郭の捻転差
15°
14.リリース時の体幹前傾角度 119°
15.肘関節角度 145°
この3点の数値の改善が
必要だと感じました。
前足着地時の骨盤と胸郭の捻転差の角度
(※骨盤と胸の向きの差)が
25%を下回ってしまうと、
体幹の回旋(※体をひねる動き)によるエネルギーを
十分に腕へと伝えることができていないことにより、
上半身主体(※下半身を使わず、腕の力だけで投げる)の
フォームになってしまう可能性があります。
また、前足着地時の骨盤と胸郭の捻転差の角度が小さく、
肩最大外旋角度(※肩を後ろに引いたときの角度)が
適正値で肘関節角度(※肘の曲がり具合)が小さいことから、
いわゆる「肘抜け」(※肘が前に出すぎてボールに力が伝わらない状態)の
フォームでリリースしている可能性が高く、
これにより肘を伸ばす力だけで投げる動作になってしまっています。
そのため、肘を伸ばす力だけで
リリース(※ボールを離す瞬間)してしまい、
球速の低下につながります。
また、肩肘の負担(※肩や肘の筋肉・関節へのストレス)が増えてしまい
怪我のリスクが向上してしまう可能性があります。
リリース時の体幹前傾角度(※体を前に倒している角度)が
119°と適正値をわずかに下回っているため、
投球動作の中で体全体を前方へしっかり倒し切ることができず、
上半身と下半身の連動(※体全体の動きのつながり)を
繋げることができず、
リリース時のボールへの伝達(※力の伝え方)が
低下してしまう可能性があります。
これらの動作を改善するためのメニューをご紹介します。
13.前足着地時の骨盤と胸郭の捻転差
プレッツェル
効果:胸郭の動きを広げる、捻転差を広げる
特徴:胸郭の動きが悪い選手、捻転差ができない選手
注意事項:呼吸を使って少しずつ動きを広げていく
回数:10回
14.リリース時の体幹前傾⾓度
HK MBオーバーヘッドスロー
効果:体幹の前傾角度を小さくする
特徴:投球時に体が前に倒れない選手、リリースが弱い選手
注意事項:前足の膝が前に抜けないようにする、ボールは肘を抜いて投げない
回数:10回
15.肘関節角度
プッシュアップトウタッチ
効果:腕を伸ばして力を出す動きを覚える、
特徴:肘抜けをしてリリースしてしまう選手
注意事項:腕で地面を押すイメージでお尻を上げていく
回数:10回
これらの動作を行っていくことで数値が改善されていき
球速アップやコントロールアップだけでなく
ケガのリスクも無くしていくことができます!