今シーズンになり、
メジャーリーグで話題となっている
“スイーパー”という変化球をご存知でしょうか?

3月に行われたWBCの決勝で
9回に登板した大谷翔平選手が
トラウト選手に対して投じ
空振り三振にして優勝を決めたボールだと
お伝えすればイメージがつく方もいるかと思います。

初めて聞いたという方もいれば
実際に見たことはあっても
他の変化球と違い独特な変化なため
・どうやって投げるか想像がつかない
・どんな回転をしているか
・どういったバッターに対して投げるのか
イメージのつきにくい変化球だと思います。

そんなスイーパーについて
今回はお伝えしていきます。

 

目次

1.スイーパーとはどんな変化球なのか?
2.カーブ、スライダーとの違い
3.スイーパーの投げ方、握り方
4.実際にスイーパーを投げていく
5.ラプソードで見るスイーパー
6.スイーパーをより有効にするために

1.スイーパーとはどんな変化球なのか?

スイーパーは他の変化球と異なり
明確に定義するための条件が多くあるので
詳しくは後ほどお伝えしていきますが、
右ピッチャーが投球した際
スライダーのように
右バッターのアウトコースに逃げていくよう曲がり、
沈まないまま大きく真横に変化するのが
大きな特徴の変化球です。

以前はスライダーの一種とされていましたが、
ラプソードをはじめとする投球解析システムや
アナリストによるデータ分析が
浸透してきたことで
既存のスライダーと判別するために
今シーズンから
新しく定義付けされた変化球です。

英語で箒を掃くスイープ(sweep)が由来で
ホームベースの端から端を箒で掃くように
横切って大きく曲がることから名付けられ
ホームベースが43.2㎝に対して
最大56㎝程ホームベースの幅以上に
真横に変化すると言われるボールです。

 

バッターから見たスイーパーとは

ボールが沈まず、
バッターから見るとストレートのように
浮き上がって見えるため、
見分けがつきにくいためボールの下を振って
空振りが多くなる変化球です。

メジャーリーグでは
フライボール革命と言われるように
ホームラン性のボールを狙うこともあり、
バットの軌道に入りやすい下方向に
変化するボールより効果的なボールになります。

変化幅が多い変化球なので、
通常のスライダーと異なり、
空振りが多くなりやすく、
ストライクを取りにいく
いわゆる「カウントを稼ぐボール」としての役割や
その独特の軌道から
バッターの目線を変えることもできるので
さまざまな用途で使える
非常に使い勝手が良い変化球となります。

 

今回はスイーパーについて
・どんな変化球なのか
・どんな握りをしているのか、どのように投げているのか
・どんな回転をしているのか
・どんなバッターに有効なのか
・ボールの軌道や回転方向や回転軸がどうなっているか

実際に投球したボールを
ラプソードの投球データから比較しながら
解説していきたいと思います。

2.カーブ、スライダーとの違い

ここからはスイーパーと
カーブやスライダーとの違いを解説していきます。

スイーパーの定義があったように、
カーブやスライダーにもある程度の定義があります。

まずは、カーブやスライダーの定義を紹介していきます。

カーブ

ボールにトップスピンをかけることによって
上から下に向かって落ちるように変化する球種です。

球速としては、
ストレートとの差が20〜30キロあり
緩急をつけられるため
バッターのタイミングをずらすことができます。

回転としては、
トップスピンで回転数はストレートより
200〜300回転多くなるボールになります。

回転数が多くなることによって
バッターの手元で急激に曲がりますので
空振りも狙うことができます。

逆に回転数が少ないカーブは、緩やかに変化していくため
タイミングをずらしバッターに振り切らせないことができます。

軌道としては、
ストレートの軌道より高めに抜けるように浮いてから
山なりに落ちていく軌道になります。

スライダー

ボールにサイドスピンとジャイロスピンを
かけることによって横方向に少しスライドしながら
下に向かって落ちるように変化する球種です。

球速としては、
ストレートとの差が10〜20キロと
比較的変化球の中では速い球種になります。

回転としては、
ジャイロスピンが多く入っていて回転数は
ストレートより100〜200回転
多くかけるボールになります。

ジャイロスピンが多く入っていると
空気抵抗を受けにくくなるため、
重力によって下方向に落ちていきます。

さらに少しサイドスピンが入っていると
横方向に少しスライドしていきます。
軌道としては、
ストレートと同じ軌道からバッターの手元で
急激に落ちながらスライドしていく軌道になります。

縦変化、横変化とピッチャーによって
変化の違い、球速の違いもある球種ですが
一般的な定義として示しています。

スイーパーとの違いとしては、
カーブやスライダーは、
主に下方向に落ちていく変化球ですが、

スイーパーは、水平方向にスライドしていく
横の変化が主な動きになります。

また、回転方向も違いサイドスピンが
主な回転になってきます。

球速は、カーブより速くスライダーと
同じくらいか少し遅いボールになってきます。

このように球種としては完全に別物になっています。

似たような球種としては
サイドスピンが多く入っている
横のスライダーになりますが、
横のスライダーよりさらに沈まず
水平方向にスライドしていきます。

変化が他の球種と似ていかないように、
ラプソードなどで
数値をチェックして習得いきましょう。

3.スイーパーの握り方、投げ方

ここからはスイーパーの握り方、投げ方を
解説していきます。

握りや投げ方も
他の球種とは特殊な投げ方をしています。

ラプソードやインサイトを使いながら
どうやってリリースを行っているのかを確認して
投げられるように練習していきましょう!

 

それではまずは、握り方から解説していきます。

スイーパーの握り方

スイーパーはツーシームの握りでボールを持ち
投げていきます。

握り方としては、
縫い目が2本平行に並ぶ場所に対して
縫い目に乗せるように人差し指と中指を指を置き、
下の方の丸くなっている縫い目に親指の側面を
つけるように握ります。

なぜツーシームの握り方で投げていくのかというと、
縫い目による変化
S.S.W(シーム・シフト・ウェイク)と
回転による変化
マグヌス効果が関係してきます。

ここでは細かく説明しませんが、
この握り方で投げることによって
落ちにくく
真横にスライドしていくボールになってきます!

北海道日本ハムファイターズから
ロサンゼルス・エンゼルスへ移籍し
現在、MLBでも二刀流で大活躍している
大谷翔平選手も
このツーシームの握りで投げています!

 

次は投げ方を紹介していきます。

スイーパーの投げ方

ここからはスイーパーの投げ方を紹介していきます。

投げ方としては、
腕が回外しながら横にスライドするように
腕を振っていきます。

体の回転も、
縦ではなく横に回転していきます。

回外の動きとしては、
手の甲がキャッチャーに向けた状態で
そのまま横に振っていく動きで投げていきます。

この腕の振り方で投げることで
ボールにサイドスピンをかけることができます。

スイーパーを投げるためには
横方向に大きく変化させつつ下方向に
変化しないように回転をかけることと、
力の伝える方向を上から下ではなく
できる限り地面に対して平行に投げることで
落ちにくい変化になります。

ですので、スイーパーは、
サイドスローやスリークウォーターで
投げる投手が多い傾向があります。

オーバースローでは、
どうしても腕の振る方向や体の回転方向を変えないと
横の変化よりも縦の変化が
大きくなりやすくなってしまいます。

その特性を理解した中で試していきましょう。

では実際に投げていき、
ラプソードで測定したデータを見ていきましょう!

ラプソードでは、
回転方向と変化量に注目しながら解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。

4.実際にスイーパーを投げていく


5.ラプソードで見るスイーパー

ここからは、ラプソードで測定したボールが
どういった数値になるのかを紹介していきます。

 

見た目で判断するよりも
数値を見て判断した方が
より正確で再現性のある変化球を習得できますので
ラプソードなどで測定される際は
ぜひ参考にしてみてください!

それではこちらがラプソードで測定した
スイーパーの数値になります。

下記がスライダー、カーブになります。

数値で注目すべき点としては、
・縦の変化量、横の変化量
・回転方向
・ジャイロの角度

こちらが重要になってきます。

スイーパーと他の球種を比べると
ここの数値がかなり変わってきますので
他の球種とも見比べながら見ていきましょう!

 

縦の変化量、横の変化量

計測したスイーパーの数値は、
縦の変化量−12.9cm
横の変化量 48.2cm
になっています。

それに対して
スライダーの数値は、
縦の変化量−19.4cm
横の変化量 31.5cm

カーブの数値は、
縦の変化量−48.8cm
横の変化量 44.9cm

変化量の違いとしては、
スライダーやカーブと比べて沈まず横に変化していく

スイーパーはこういった数値になっていきます!

 

この数値になるためには回転方向が重要になっていきますので、
次は買い手の方向がどうなっているのかを紹介していきます。

回転方向

計測したスイーパーの回転方向は、
03:34
の方向から左回りで回転してします。

それに対して
スライダーの回転方向は、
04:40
の方向から左回りで回転してします。

カーブの回転方向は、
05:02
の方向から左回りで回転してします。

この回転方向に
ジャイロの角度が合わさって変化していきます。

 

特徴としては、
スライダーはジャイロの角度が大きく
カーブ、スイーパーは
ジャイロの角度は小さいことによって
回転により変化で変化量を大きくしています。

 


6.スイーパーをより有効にするために

これまでスイーパーがどんな変化をするボールなのか
その投げ方について説明してきましたが、
今回はスイーパーをより有効に活用するための方法について
説明したいと思います。

 

スイーパーの効果とその役割

スイーパーはベースの端から端まで
大きく変化するため、
ボールゾーンからストライクゾーンに投げて
カウントを取りいくボールとしても有効です。

また、他の変化球に比べてスピードが速く、
ホップ成分があるため、
ストレートに近い軌道を描くため、
バッターはストレートと見分けがつかず、
空振りを狙うために有効なボールになります。

また、大きな変化は
ストレートを狙うバッターに対して
目線を変えて次に投げるボールを
活かしやすくすることにも
活用することができます。

バッターに対して投げる際は
ストライクを取りに行く
いわゆる「カウント球」として活用する、
ストレートの勘違いをさせて空振りを狙う、
大きな変化でバッターの目線を変えて打ち気をそらす
など、
幅広い用途で投げることができるので
使い勝手のいい球種と言えます。

スイーパーの欠点

これまでスイーパーのさまざまな効果について
お話ししてきましたが、
次はスイーパーの欠点についてお伝えしたいと思います。

まずは、スイーパーの投げにくさになります。

真横に変化させるために
リリースポイントをサイドスローに近づけた方が
回転をかけやすくなるため、
オーバースローのピッチャーは回転をかけるために
肘を下げる必要があり
変化球を覚えるために投げ方が変わってしまうことや
試合中にストレートとスイーパーを
投げ分けるために投げ方を変えることで
感覚がずれてしまうなどが
欠点としてあげられます。

また、スイーパーはその変化幅の大きさから
コントロールが難しく投げられるコースが
限られてきます。

例えば
右ピッチャーに対して左バッターのように
バッターに向かっていくような
ボールのコントロールが難しくなるため
右対左、左対右のピッチャーの
リリースポイントと対角線上に向けて投げるのは
デットボールのリスクが増えることや

投げられるコースが限られることで
ボールの軌道にバッターが慣れた際には
狙い球として対応がされやすい球種となります。

 

スイーパーを有効活用していくために

今回はスイーパーを有効活用するための方法について
紹介しました。

球種を覚える難しさや
変化が大きいため投げられるコースが
限られるなど欠点もありますが、
習得すれば活用方法が幅広く
強力な武器となる球種といえます。

ぜひ、参考にして取り組んでみてください。



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