この研究は2週間の期間としてのデータであるが、メディシンボールサイドスロートレーニングを行うことによって実施前より捻転最大角度が大きくなり打球速度が向上するのではないかと思い、今回はメディシンボールを用いたサイドスロートレーニングが打球速度に与える即時効果を明らかにすることを目的とする。

 

0.目次

1.緒言
2.方法
3.結果
4.結論・考察
5.参考文献

 

1.緒言

本研究では、
中学硬式野球選手において
メディシンボールを用いた
サイドスロートレーニングが
打球速度に与える即時効果
明らかにすることを目的とする。

現場では、
スイングスピード向上を目的として
メディシンボールを用いた
トレーニングを行うことがある。

岸本ほか(2018)では、
メディシンボール投げを
行うトレーニング群と、
トレーニングを行わない対照群で

トレーニング群のほうが
メディシンボール投げの
飛距離、スイングスピードが向上し
また捻転最大角度が大きくなったとある。

この研究は
2週間の期間としてのデータであるが、
メディシンボールサイドスロートレーニングを
行うことによって
実施前より捻転最大角度が大きくなり
打球速度が向上するのではないかと思い、
今回はメディシンボールを用いた
サイドスロートレーニングが
打球速度に与える即時効果を
明らかにすることを目的とする。

 

2.方法

本施設の
パーソナルレッスンに通っている
中学生硬式選手
(中学1年生2名、中学2年生4名、中学3年生1名)
7名を実施。

選手から全力で振れるといった
自己申告後、ティースタンドを用いて
バッティング練習で
5球のバッティングを行い、
Rapsodo®を用いて、
打球速度を測定。

その後メディシンボールサイドスローを行い、
再度ティースタンドを用いて打撃し、
Rapsodo®を使用して
打球速度の測定を行う。

選手が測定時に使用するバットは
それぞれが普段から使用しているバットを
使用した。

メディシンボールサイドスローの方法としては、
両手でメディシンボールを持ち、
スイングを行うように動作をしていき
センター方向に向かって
投げるように指示した。

図1 検証で使用したメディシンボール (重さ3kg)


3.結果

結果は図2、図3、図4、図5の通り。

実施した7人中1人が打球速度が向上し、
数値としては最高値は1.9km/h向上した。

7人の平均値としては、-1.57km/hとなった。

図2 検証メニュー前後のRapsodoデータの比較

図3 打球速度測定 増減

図4 打球速度増加選手のRapsodo測定データ

図5 打球速度減少選手のRapsodo測定データ


4.結論・考察

増加人数としては
1人となり平均値は-1.57km/hとなったことから
打球速度向上につながらなかったと考えられる。

今回の測定では以前、実施した
重いバット(1)、軽いバット(2)、
長い棒(3)の
測定データと同様に
打球速度が上がると
回転数や打球角度が
下がりやすいことは
確認できた。

ただ今回は、
・打球速度が下がって、
打球角度も回転数も数値が高くなった選手2名

・打球速度が下がって、
打球角度もしくは回転数のどちらかの数値が
高くなった選手1名

・打球速度が下がって、
打球角度も回転数も数値が
低くなった選手2名
といったような結果になった。

打球角度も回転数も
数値が高くなってしまった選手や、
どちらかの数値が高くなってしまった選手は

正確にバットとボールを
コンタクトさせることができなかったと言える。

3kgのメディシンボールを用いて行った結果、
スイングにおける感覚が変わってしまい

正確にバットとボールをコンタクトさせる
という点においては
負の即時効果が働く可能性が考えられる。

また、打球角度も回転数も
数値が低くなったのに
打球速度が落ちてしまった選手は、

出力の発揮に影響し
スイングスピードが低下したと考えられる。

谷中ほか(4)では、
横方向のメディシンボール投げでは、
メディシンボールの重さによって
上胴部が回転しづらくなるため

下胴と上胴の回転に
タイムラグが生じやすくなるので、
そのタイムラグができるだけ小さくなるように

体幹部(上胴と下胴)を一つの剛体として
回転させる意識でエクササイズを行うことが
ポイントであるとある。

今回はそういった指示を行っていなかったので、
指示した際に変化していた可能性が考えられる。

また、重さによって
タイムラグが出るのであれば

メディシンボールの重さが
重く扱えなかった可能性も考えられる。

以上のことから、
重さの設定や正しい動作を行うことができないと
効果が発揮されず数値は逆に下がってしまう。

また、岸本ほか(2018)では
継続して取り組むことで
スイングスピードが向上したとあるので

継続的な取り組みとしては
実施する価値はある。

勝亦ほか(2017)の論文にもあるが、
その際も重さの設定や
正しい動作を行わせるように
指示する必要はある。

 

5.参考文献

メディシンボール投げトレーニングが
野球におけるバットスイングスピードに及ぼす影響について
岸本昌弘 (競技スポーツ学科 スポーツ情報戦略コース)
指導教員 高橋 佳三
https://www.google.co.jp/url?sa=t&source=web&rct=j&opi=89978449&url=https://biwako-seikei.repo.nii.ac.jp/record/5060/ files/ 292%20%E5%B2%B8%E6%9C%AC.pdf&ved=2ahUKEwiPjb6k7aqGAxX0r1YBHbu2BUcQFnoECB4QAQ&usg=AOvVaw 2K7YGAU0B1zCsxZjQyO3UR

(1)野球において重いバットを振るトレーニングが打球速度に与える即時効果
BASEBALL ONE株式会社

(2)野球において軽いバットを振るトレーニングが打球速度に与える即時効果
BASEBALL ONE株式会社

(3)野球において長い棒を振るトレーニングが打球速度に与える即時効果
BASEBALL ONE株式会社

(4)科学的知見を考慮した打球飛距離を伸ばすためのトレーニング・練習
谷中 拓哉 森下 義隆
https://www.google.co.jp/url?sa=t&source=web&rct=j&opi=89978449&url=https://researchmap.jp/read0144454/misc/ 32967911/ attachment_file.pdf&ved=2ahUKEwiv1qeJsKWGAxWpklYBHaOEBlUQFnoECC4QAQ&usg=AOvVaw0m_eesM0mZmu6o _6qB4gC6

高校野球選手における打球スピード向上を目的としたトレーニングの効果 ~PDCA サイクルに基づいた実践報告~
勝亦陽一 森下義隆
東京農業大学 国立スポーツ科学センター
https://sports-performance.jp/paper/1660/abs1660.pdf



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