回転数を増やすことでボールの変化量を増やすことができ、
加藤(2019)、永見ほか(2010)の論文では空振りを取れる確率が上がりやすいといった結果が出ている。

永見ほか(2010)は回転数が多い選手の特徴として、バックスピン角度が大きいという結果が出ている。

0.目次

1.緒言
2.方法
3.結果
4.結論・考察
5.参考文献

1.緒言

現在、回転数
野球の現場で選手の能力を示す指標として
用いられている。

回転数を増やすことで
ボールの変化量を増やすことができ、

加藤(2019)、永見ほか(2010)の論文では

空振りを取れる確率が
上がりやすいといった結果が出ている。

永見ほか(2010)は
回転数が多い選手の特徴として、

バックスピン角度が大きい
という結果が出ている。

そのことから
腕を速く振ることができれば、

バックスピン角度が
増えるのではないかと考え

速く腕を振る動作の獲得として

細い棒を使ったシャドーピッチングを行うことで
回転数に与える即時効果を
明らかにすることを目的とする。

2.方法

本施設のパーソナルレッスンに
通っている選手(小学6年生~社会人)
15名を実施。

選手から全力で投げられるといった
自己申告後、

Rapsodo®を用いて、回転数を測定。

その後、細い棒(図1)を握り
全力でシャドーピッチングを
5回×2セット行い、

再度Rapsodo®を使用して
回転数の測定を行う。

細い棒についてはこちらで用意した物を使用した。

図1 実際に使用した棒(長さ60cm 直径1.4cm 木製)

3.結果

結果は図2,3,4の通り。
実施した15名中6名の回転数が向上し、
数値としては最高値は161.6、
平均値としては63.1向上した。

図2 検証メニュー前後のRapsodoデータの比較

図3 回転数測定 増減

図4 球速測定 増減

図5 回転数増加選手のRapsodo測定データ

図6 回転数減少選手のRapsodo測定データ

4.結論・考察

全体の傾向として
回転数が上がる選手は少ない傾向が出た。

回転数が上がった選手の特徴としては、
6名中5名が球速と共に数値が向上した。

球速、回転数双方の数値が上がるということは、
実施前よりも速く振る動作が
できるようになったと考えられる。

また、球速の上がった選手の特徴として
リリースの高さが
低くなっている傾向があった。

リリースポイントが下がった要素として
実施前と比較した際に
ボールをリリースする位置が前になり

加速距離が伸びたことによって
球速アップにつながったと考えられる。

逆に回転数も球速も
下がった選手の特徴としては、
実施前後を比べていった際に

最高数値だけでなく、
平均球速や平均回転数が
下がっている傾向があった。

こういった選手は、
棒を使ったシャドーピッチングを実施した際に
速く振る動作で行えていなかった可能性がある。

また回転数が上がり球速が落ちた選手は、
リリースポイントの位置が
横に5cm体に近づいたのにも関わらず

縦の位置が1cmしか変化していないことから
肘が先に前に出る、
抜けるようなリリースの仕方によって

バックスピン角度が増えた可能性がある。

回転数が落ちて球速が上がった選手は、
バックスピン角度を増やすことができなかったが

フォームのメカニクスが改善されて
球速アップにつながったと考えられる。

シャドーピッチングでは、
本来フォームを習得目的で行うことが多い。

永見ほか(2010)では
バックスピン角度は、
手指がボール中心に
上方から覆い被さるようにすることが
求められるが、

棒を使ったシャドーでは、
その動作獲得と即時効果は
十分に得られなかった。

以上のことから、
棒を使ったシャドーピッチングは
回転数を増やす目的では適切ではないが、

球速を上げる目的であれば
実施する価値はある。

ただし自分自身が実施した後、
上がりやすいタイプなのかどうかを測定して
判断する必要がある。

5.参考文献

トラックマンデータから見る MLB 投手の実態と日本人投手との比較
加藤 太朗
https://www.juntendo.ac.jp/assets/maneka_20191216055.pdf

野球投手の手指の動作一ボール回転一軌道の解析
Analysi sof Finger Movement , Ball Spin, and Trajectory in Baseball Pitching
永 見 智 行 (早 稲 田 大 ・ H 本 学 術 振 興 会 特 別 研 究 員 )
Tomoyuki Nagami (Waseda Universit,yJSPS Research Fellow )
樋口 貴俊 (早稲田大)
TakatoshiHiguchi(WasedaUniversit)y 諸星 潤 (早稲田大)
Jun Morohoshi (Waseda University) 矢内 利政 (早稲田大)
Toshimasa Yanai (Waseda University) 彼末 一之 (早稲田大)
Kamyuki Kanosue(Waseda Universit)y
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmeshd/2010/0/2010_36/_pdf



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