現在、打球速度は野球の現場で選手の能力を示す指標として用いられている。
また、野球において普段使用しているバットより軽いバットでスイングする練習を行い、体のキレを出し動作スピードを上げようと取り組む選手が多い。
そこで軽いバットを振ることで打球速度はどう変化するのかを明らかにすることを目的とする。
0.目次
1.緒言
現在、打球速度は野球の現場で
選手の能力を示す指標として
用いられている。
また、野球において
普段使用しているバットより
軽いバットでスイングする練習を行い
体のキレを出し動作スピードを上げようと
取り組む選手が多い。
尾谷(2019)では、
普段使っているバットで
スイングスピードを計測した後、
軽量バットを使用して
スイングを行い再度計測することで
スイングスピードが向上したとある。
そこで軽いバットを振ることで
打球速度はどう変化するのかを
明らかにすることを目的とする。
2.方法
本施設のパーソナルレッスンに
通っている選手(小学4年生~高校3年生)
15名を実施。
選手から全力で振れるといった自己申告後、
ティースタンドを用いて
バッティング練習で
5球のバッティングを行い、
Rapsodo®を用いて、打球速度を測定。
その後普段より軽いバット(図1)を
スイングするトレーニングを15回行い、
再度ティースタンドを用いて打撃し、
Rapsodo®を使用して打球速度の測定を行う。
選手が測定時に使用するバットは
それぞれが普段から使用しているバットとし、
軽いバットについては
こちらで用意したバットを使用した。
図1 実際に使用した軽いバット(78cm.580g)
3.結果
結果は図2、図3、図4、図5の通り。
実施した15人中9人が打球速度が向上し、
数値としては最高値は9.0km/h、
平均値としては3.6km/h向上した。
図2 検証メニュー前後のRapsodo
図3 打球速度測定 増減
図4 打球速度増加選手のRapsodo測定データ
図5 打球速度減少選手のRapsodo測定データ
4.結論.考察
全体の傾向として打球速度の最高値は
引っ張り方向の打球が多く計測された。
また5球の測定の数値も
ほとんどが引っ張り方向の打球だった。
軽いバットを
スイングするトレーニングを
実施することによって
打球は引っ張り方向に
飛びやすいスイングに
なりやすくなると言える。
また以前実施した
重いバット(1)で測定した際も
全体的に引っ張り方向の打球が多かったので
打球速度を上げようとすると
無意識に引っ張り方向の
インパクト位置で打つ選手が多い。
打球速度が上がった選手の傾向としては、
打球速度が上がると
打球角度や回転数が
下がっていく傾向がある。
こちらも重いバットで
計測した際と同じく、
ボールの中心部近くを
バットで捉えている面積が
大きくなっていることで
起きたと思われる。
逆に下がった選手は、
最高値の際に回転数が多くなり
打球角度がトレーニング実施後の方が
高くなっている選手と、
逆に回転数も落ちて打球角度も下がったのに
打球速度も落ちてしまった選手がいる。
回転数も落ちて打球角度も下がったのに
打球速度も落ちてしまった選手は、
軽いバットによって
動作スピードが上げられず
行われていた可能性がある。
以上のことから、
軽いバットを使用していくことで
打球速度は上がる可能性は高い。
尾谷(2019)では
スイングスピードの変化が確認されたが、
打球速度も向上することが確認された。
また打球速度を上げるためには、
ボールの中心部近くを
バットで捉えている面積を広げて
打球角度を落としていくことで
上がりやすくなる。
ただし打球角度が
落ちる分飛距離も出にくくなるので
実践では状況に応じて使い分ける必要がある。
5.参考文献
軽量バットでのスイングがスイングスピードに及ぼす影響とその持続効果について
尾谷 翔(高知大学)
http://pejaue.xsrv.jp/pdf/2019_38S1_01.pdf
(1)野球において重いバットを振るトレーニングが打球速度に与える即時効果
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