ソフトボールを用いた打撃練習のだけでもスイングスピードおよび打球速度向上につながるのではないかと思い、今回はソフトボールを用いた打撃練習が打球速度に与える即時効果を明らかにすることを目的とする。

0.目次

1.緒言
2.方法
3.結果
4.結論・考察
5.参考文献

 

1.緒言

現在ベースボール型球技として
野球、ソフトボールなどがあるが、
ソフトボールでは野球とは違い
大きなボールを扱っていく。

現場では、
スイングスピード向上を目的として
ソフトボールを使った
バッティングを行うことがある。

勝亦陽一ほか(2017)では、
筋力、パワートレーニングと
ソフトボールを用いた打撃練習は、
打球スピードおよび
それを決定する要因である
スイングスピードの向上に
有効であるとされている。

この研究は
9週間の期間としてのデータであるが、
ソフトボールを用いた打撃練習のだけでも
スイングスピードおよび
打球速度向上につながるのではないかと思い、
今回はソフトボールを用いた打撃練習が
打球速度に与える即時効果を
明らかにすることを目的とする。

 

2.方法

本施設のパーソナルレッスンに通っている
中学生硬式選手(中学1年生3名、中学3年
生2名)
5名を実施。

選手から全力で振れるといった
自己申告後、ティースタンドを用いて
バッティング練習で5球のバッティングを行い、
Rapsodo®を用いて、打球速度を測定。

その後ソフトボール(図1)と
ティースタンドを用いて
バッティング練習(5球)行い、
再度ティースタンドを用いて打撃し、
Rapsodo®を使用して
打球速度の測定を行う。

選手が測定時に使用するバットは
それぞれが普段から
使用しているバットを使用した。

ソフトボールとティースタンドを用いた
バッティング練習では、
こちらが用意した竹製バット(図2)を
使用させた。

またソフトボールを打つ際の意識として、
遠くに飛ばす意識で打つように指示した。

図1 検証で使用したソフトボール (周囲30.48cm、重さ190~195g)

図2 検証で使用した竹製バット(83cm、900g)

 

3.結果

結果は図3、図4、図5、図6の通り。

実施した5人中3人が打球速度が向上し、
数値としては最高値は1.1km/h
平均値としては0.6km/h向上した。

5人の平均値としては、
-0.36km/hとなった。

図3 検証メニュー前後のRapsodoデータの比較

図4 打球速度測定 増減

図5 打球速度増加選手のRapsodo測定データ

図6 打球速度減少選手のRapsodo測定データ

 

4.結論・考察

増加人数としては3人となったが
平均値としては-0.36km/hとなったことから
打球速度向上につながらなかったと考えられる。

今回の測定では以前私が実施した
重いバット(1)、軽いバット(2)、長い棒(3)の
測定データと同様に
打球速度が上がると
回転数や打球角度が下がりやすいことは
確認できた。

ただ、以前の研究と違った傾向として
全体の傾向として
引っ張り傾向の打球が少なく
逆方向の打球が多く測定された。

逆方向の打球が多くなった原因として
ボールの重さや大きさが
変化したことが考えられる。

谷中ほか(4)の論文では、
インパクトにおいて
バットでボールを強く押し込むことに
焦点を当てた練習
ソフトボールを用いた
打撃練習は含まれている。

重いボールになったことで
インパクトで押し込むような動作になった結果、
バットを返すようなスイングではなく、
押し込むようなスイングになり
逆方向の打球が増えた可能性が考えられる。

谷中ほか(4)の論文では、
インパクトの瞬間のみに
力発揮を強調するのではなく
スイング開始からバットに力を加え、
インパクトまでにバットを
最大限に加速させることで
スイングスピードが向上するとある。

今回実施する際、
選手に遠くに飛ばす意識で
打つように指示するのではなく
インパクトまでにバットを
最大限加速させるような意識を
指示で実施していたら
変わったのかもしれない。

以上のことから、
ソフトボールを用いた打撃練習は
打球速度に与える即時効果はない
と考えられる。

ただ、勝亦陽一ほか(2017)では、
筋力、パワートレーニングと
ソフトボールを用いた打撃練習は、
打球スピードおよび
それを決定する要因である
スイングスピードの向上に
有効であるとされているので
実施期間や筋力、パワートレーニングを
併用して行うことについては有効的である。

また、今回実施したのが
中学生硬式の選手だったが、
軟式、小学生、高校生、大学生などの選手では
結果が変化する可能性はある。

 

5.参考文献

高校野球選手における
打球スピード向上を目的とした
トレーニングの効果
~PDCA サイクルに基づいた実践報告~
勝亦陽一    森下義隆
東京農業大学 国立スポーツ科学センター
https://sports-performance.jp/paper/1660/abs1660.pdf

(1)野球において重いバットを振るトレーニングが打球速度に与える即時効果
BASEBALL ONE株式会社

(2)野球において軽いバットを振るトレーニングが打球速度に与える即時効果
BASEBALL ONE株式会社

(3)野球において長い棒を振るトレーニングが打球速度に与える即時効果
BASEBALL ONE株式会社

(4)科学的知見を考慮した打球飛距離を伸ばすためのトレーニング・練習
谷中 拓哉 森下 義隆
https://www.google.co.jp/url?sa=t&source=web&rct=j&opi=89978449&url=https://researchmap.jp/read0144454/misc/ 32967911/ attachment_file.pdf&ved=2ahUKEwiv1qeJsKWGAxWpklYBHaOEBlUQFnoECC4QAQ&usg=AOvVaw0m_eesM0mZmu6o _6qB4gC6

 



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